手嶋兼輔

Tejimaオリエント・ギリシアを包含する「東地中海文化圏」の視点から独自の史観を展開。地中海世界は「東」と「西」に分かれている。ギリシア文明は、エジプト・ペルシアなどオリエント「先進国」のはざまのローカルな「東地中海文明」だった。その小さなギリシアが歴史の僥倖によりオリエントを征服し、西洋文明の源泉となる。「自由」と「海」の小さな文明が歴史に残した偉大な足跡を辿る。


2 thoughts on “手嶋兼輔

  1. shinichi Post author

    なぜなら、ヘロドトスの時代から一世紀半ほど後のプトレマイオス王朝の成立時においてなお、エジプトとギリシアとの力関係には歴然たるものがあったからである。

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    エジプト、ギリシア両民族の歴史、国力、文明度の差は依然として開いたまま、縮まらなかったはずである。学芸文化の開花は必ずしも富や国力の充実とは結びつくものではない。

    であれば、強引なギリシア風の押し付けは困難なばかりか、功を奏さないのは確実である。エジプトの伝統に即し、その体制を基本的には受け入れる。もっとも、支配権力をギリシア人が握る限り、ギリシア的要素が加味されていくのは自然な成り行きである。

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