shinichi 13/06/2020 at 9:36 am こんなにも心地よさそうに眠る猫の絵を見たことがありますか? 作者は、長谷川リン(燐の火がさんずい)二郎。長谷川リン二郎。 (1904~1988) (明治37年~昭和63年) 大正をとことん見つめ、じっくりと作品を仕上げた。歳月をかけたが、実は未完成だ。いったいなぜか? 長谷川リン二郎が描いたのは、日常のありふれたものばかり。 どの作品にも澄んだ空気と暖かな詩情が漂っている。風景画もその場で仕上げる。季節が変わればまた来年描けばいい。それでもダメなら再来年。だから遅筆、佳作、無名。 まるで永遠の時を生き、現実濃厚の世界に到達した。謎の画家、長谷川リン二郎。 「猫」 ファンタジーの世界を感じる。猫の息遣いが聞こえてきそうだ。熱狂的なファンがいる長谷川リン二郎。 丸丸でもなく、伸びきるわけでもない絶妙のポーズ。至福の眠り。愛猫「タロー」が9月に見せた姿が、リン二郎に衝撃を与えた。 早速、筆を執る。毎日同じポーズで眠るタローは、理想のモデルだ。 しかし、突然丸まってしまう。気候の変化だ。気温の変化に敏感な猫は、同じポーズで眠るのは翌年の9月をまで待たねばならなかった。 同じようなポーズを取っているようだが、同じではない。 友人の画商が一目で気に入って、「猫」を欲しいと思ったが、まだ髭がないといわれて譲ってくれなかった。 描き始めて6年、タローは死んでしまった。 リン二郎は想像で髭を描いたが、片方だけだった。 Reply ↓
shinichi 13/06/2020 at 9:51 am よい画はその周囲をよい匂いで染める。 よい画は絶えずよい匂いを発散する。 よい匂い、それは人間の魂の匂いだ。 人間の美しい魂の匂い、それが人類の持つ最高の宝である。 ―― 長谷川潾二郎 Reply ↓
みんな幻、みんな夢。昨日のことも、明日のことも。
こんなにも心地よさそうに眠る猫の絵を見たことがありますか?
作者は、長谷川リン(燐の火がさんずい)二郎。長谷川リン二郎。
(1904~1988) (明治37年~昭和63年)
大正をとことん見つめ、じっくりと作品を仕上げた。歳月をかけたが、実は未完成だ。いったいなぜか?
長谷川リン二郎が描いたのは、日常のありふれたものばかり。
どの作品にも澄んだ空気と暖かな詩情が漂っている。風景画もその場で仕上げる。季節が変わればまた来年描けばいい。それでもダメなら再来年。だから遅筆、佳作、無名。
まるで永遠の時を生き、現実濃厚の世界に到達した。謎の画家、長谷川リン二郎。
「猫」
ファンタジーの世界を感じる。猫の息遣いが聞こえてきそうだ。熱狂的なファンがいる長谷川リン二郎。
丸丸でもなく、伸びきるわけでもない絶妙のポーズ。至福の眠り。愛猫「タロー」が9月に見せた姿が、リン二郎に衝撃を与えた。
早速、筆を執る。毎日同じポーズで眠るタローは、理想のモデルだ。
しかし、突然丸まってしまう。気候の変化だ。気温の変化に敏感な猫は、同じポーズで眠るのは翌年の9月をまで待たねばならなかった。
同じようなポーズを取っているようだが、同じではない。
友人の画商が一目で気に入って、「猫」を欲しいと思ったが、まだ髭がないといわれて譲ってくれなかった。
描き始めて6年、タローは死んでしまった。
リン二郎は想像で髭を描いたが、片方だけだった。
よい画はその周囲をよい匂いで染める。
よい画は絶えずよい匂いを発散する。
よい匂い、それは人間の魂の匂いだ。
人間の美しい魂の匂い、それが人類の持つ最高の宝である。
―― 長谷川潾二郎